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研究概要

雑誌の表紙になったもの

遷移金属触媒を利用するカップリング反応

 

チオフェン,チアゾールなどの5員環ヘテロ芳香族化合物のCーH結合で,遷移金属触媒を利用して炭素ー炭素結合や炭素ーヘテロ原子結合を効率的に生成する新反応を開発し,有機EL材料などの創製をめざしています。

J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 1700
J. Am. Chem. Soc., 2004, 126 , 5074
J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 10930
J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 16734

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

短寿命ひずみ反応中間体の制御と合成的応用

ベンザインに代表される強いひずみを有する化合物は,一般的に高い反応性を示し,そのものとしては単離できない短寿命反応中間体として知られています。構造的な興味に加えて,その高い反応性を活かした合成的応用が精力的に行われてきました。われわれのグループでは,ベンザインの構造類縁体として,シクロアルキンやシクロアレンに着目しています。独自の視点から,アニオン種の精密制御を基盤とした,短段階発生法に成功し,現在,複雑な炭素骨格を有する天然物合成に向けた応用を見据えて研究を行っています。
Chem. Commun. 2017, 53, 2614.

Eur. J. Org. Chem. 2018, 3343. VIP articleに採用

Asian J. Org. Chem. 2018, 1298. Front Coverに採用

Synthesis 2019, 51, 1561.

Synlett 202031, 198.

Tetrahedron 202076​, 131103. Front Coverに採用

Org. Synth. 2021, 98, 407. 第三者による再現性の検証済 open access

Org. Synth. 2021, 98, 509. 第三者による再現性の検証済 open access

共役系オリゴマー・ポリマーの合成

 

有機機能材料として有用なポリチオフェンを原子効率に優れた重合法を利用して合成し,新しい機能を発現する新材料創製をめざしています。

Chem. Lett. 2011, 40, 398      Editor's choice
J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 9700
J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 12208

Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 9547

Review:
J. Synth. Org. Chem. Jpn., 2011, 69

(11: special issue in English), 1202-1211

Mini review:

Chem. Eur. J. 2020, in press (10.1002/chem.201905653)

構造上興味深い有機分子の創製

 

不斉炭素を持たないにもかかわらずキラリティが発現する分子不斉化合物を合成し,新規触媒機能発現や自己組織化による分子集合体の形成をめざしています。

Org. Lett., 2012, 14 (10), pp 2476–2479
Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54 (16). 4927-4931

Sci. Rep. 2018, 8, 1704. Open Access

 

つる巻き状分子不斉

 

ハロゲンダンスの開発と天然物合成

 

ヘテロ芳香族化合物にはさまざまな有用化合物が知られています。しかし多様な置換様式に対応する一般的合成法はいまだ立ち遅れているのが現状です。ハロゲン移動反応(ハロゲンダンス)は通常の芳香族求電子置換反応では導入が難しい位置にハロゲンを移動させながら新たな官能基導入を可能にする有用な手法です。医薬として有望な活性を有する天然物や有機EL材料に応用可能な新規共役系分子の短段階合成に展開し芳香族化合物の新しい合成法を提示することを最終的な目的としています。

Chem. Eur. J. 2016, 22, 16450.

Synlett 2017, 28, 1106.

Org. Lett. 2018, 20, 958.

Org. Lett. 2018, 20, 1688.

J. Org. Chem. 2018, 83, 14126.

J. Org. Chem. 2020, 85, 8603. Supplementary Coverに採用

J. Org. Chem. 2021, 86, 13388.

マイクロフローを利用する炭素アニオンの捕捉

 

炭素アニオン種のなかでも,不安定な有機リチウム種は,高い反応性を有する一方で,制御が困難であり,実用的手法の開発にはいまだ開発の余地が残されています。ハロゲンダンスの一般性を拡大する途上で,0.1秒単位で精密に反応時間を制御可能な「マイクロフロー法」を用いると,従来のフラスコを用いるバッチ法では困難な,ヘテロ芳香族化合物の官能基化が実現可能であることを最近見出しました。これまでバッチ法で不可能とされてきた基質について,精力的に検討を行い,マイクロフロー法ならではの特徴を活かした分子変換技術の開発を進めています。

Synlett 2020, 31, 1913. Front Coverに採用

バッチ反応における新しい炭素アニオン捕捉法

 

我々は、マイクロフロー反応の相補的手法として、バッチ反応容器中で複数の不安定炭素アニオンのうち、ひとつを選択的に捕捉する方法について研究しています。具体的には、反応容器中に存在させておく金属錯体を巧みにデザインし、in situ

トランスメタル化を最近実現しました。この手法は、医薬や農薬における複素環修飾法として注目を集めると期待できます。

Chem. Eur. J. 2021, 27, 10267. Hot PaperおよびFront Coverに採用

 

バイオマス生産物の効率的分子変換

 

バイオマスから生物化学的な手法で生産される有機分子を化学的に変換することで高付加価値の有機化合物へと誘導する新反応開発をめざしています。(バイオプロダクション農工連携拠点

Bull. Chem. Soc. Jpn., 2017, 90, 565-567

Synlett, 2015, 26, 1496

Chem. Lett., 2017, 46, 1535. DOI: 10.1246/cl.170647

J. Polym. Sci. Part A: Polymer Chemistry,
2018, 56, 1516. DOI:10.1002/pola.29031

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